第3章 図画解説


防備を固められたキャラバンサライの装飾
アナトリアのセルジュークのキャラバンサライは、しばしば幾何学のモチーフで飾られた贅沢なポータルを所有する。ここでの、スタラクタイトは、アクサライの近くのスルタンハヌ(1229)へのエントランスの豊かな枠組みの図案を形成している。

防備を固められたキャラバンサライの角塔
明色と暗色の石材(アブラク細工)の交互になった層を持つ、サデッディン・ハンの外壁は、、セルジュークのキャラバンサライの為に開発された防御建築の優れた例である。それは、アナトリアの草原の中程に立っており、1235-1236年に建てられた。

軍用建築
カイセリの砦は、カエサレアのローマとビザンチンの要塞に取って代わった。それは、1224年頃に、ケイカヴゥスによって建設され、アナトリアで最も保存状態の良いセルジュークの軍事施設のうちの 1 つである。

道路と橋
優雅で僅かに尖ったアーチを持つ、このパムフィリアのセルジュークの橋は、キョプリュチャイ川(ギリシア人にはエウリュメドン川として知られている)を跨いでいる。スルタンは、軍事と商業のルートに沿って防備を固められたキャラバンサライを建て、交通を保証するために、あらゆる努力をした。

印象的な砦
カイセリの都市壁は、その都市を見下ろす、火山、エルジィエス山の裾野に立っている。壁のラインは、ユスティニアヌスの砦のそれに続いている。暗色の玄武岩は、矩形の銃眼胸壁が設けられた塔と前傾急斜面を、さらに厄介なものにしている。

セルジュークのキャラバンサライ
サデッディン・ハンは、アナトリアの草原の中程に立っている。ここでの様な、長方形の中庭の長手の面にあるキャラバンサライのポータルを見つけることあまりない。暗色と明色の石材の交互になった層は、セルジュークのキャラバンサライの壮麗さを例示する。セルジュークのスルタンの動機は、明瞭である;彼らの繁栄は、国際的商業頼りであった。

彫刻と輪郭
洗練されてはいるが、質素な装飾の詳細。セルジュークの建築は、石工の芸術によって輪郭が示されている。

長距離商業の要塞
サデッディン・ハンは交互に円形と矩形の塔が散りばめられた巨大な壁で囲まれた長方形である ;八角形の塔は、そのコーナーに立っている。それは、1235-1236年に、ケイクバド一世によって建てられた。異なる高さの層を交互に用いてた、すばらしい石工技術は、ルーム・セルジューク族によって公共事業に与えられた重要性を例示している。


スポリアの使用
サデッディン・ハンの交互になった層は、ここキャラバンサライのファサードで見られる、スポリア(略奪品)を包含している。
上 :石棺の側壁にあるビザンチンのモチーフ特徴:トレーサリー(狭間飾り)、アーチ、そしてキリスト教の末端が広くなった十字架。
中:ローマの葬義用の石棺は、アルコソリウムの下のカップルを示している。
下:多くの矩形の石のうちの1つは、そのブロックがなんであるかを明らかにするものを印している。アラビアの特徴よりむしろグレコ・ローマンに由来する、それらは、セルジュークのキャラバンサライを建てた石工の血筋を証明する。

機能的なモニュメント
アクサライの近くで、1229年に建てられたスルタナハヌ・キャラバンサライの全体像。これは、最も保存状態の良い、大セルジュークのハンの一つである。その外壁には、八角形と円形の塔がちりばめられている。その前景に、我々は、ピラミッド型の屋根に載せられた光塔を持つ冬のホールの身廊を見る。その中庭は右に突き出している。



儀式用の出入口
上:スタラクタイト・ニッチを持つアクサライの近くのスルタンハヌ(1229)のモニュメンタルなピシタク。
下:彫刻されたポータルの装飾のディテール :ジクザクの小柱は、「salomonic」コラムを模倣している。その椰子の葉の柱頭は、コリント式の柱頭のアカンサスのモチーフに由来する。

機能的なシェルター
カイセリの近くの、スルタンハヌ(1232)の中庭の美しい尖りアーケードは、機能的な建築の純粋さを持ち、スタラクタイトのフリーズによって装飾されている。

礼拝の設備
アージ・カラ・ハンは、アクサライの東に 1242年に建てられた。中庭の中心にある、立方形の建物は、ポインテッドアーチで立ち上げられた小さなモスクである。背景は、冬のホールのポータル。

石の綾
カイセリの近くのスルタンハヌ(1232)の中庭の出入口を囲む装飾的なモチーフは、あたかも中央のニッチの周りで紡がれたかの様に思える。バラ花飾りは、装飾の主題を仕上げる。

セルジュークの充溢
アクサライの近くのスルタンハヌの中庭のポータルは、様々な装飾的モチーフを示す。真束の迫石を持つ偏平アーチの上の、銘の帯は、ニッチの豊かなスタラクタイトを支持している。ポータルの構成は、トレーサリー(狭間飾り)の連続する帯を包含している。

想像力と巌格さ
1232年に遡る、カイセリの北のスルタンハヌの冬のホールのポータルのディテール。ピシタクのフレームの中の、幾何学の結び糸細工は、カスプと卍のモチーフを囲んでいる。このパネルの中に、扉の上のスタラクタイトのニッチが配置されている。

装飾の豊さ
マドラサのポータルのように、キャラバンサライ(ここでは、スルタンハヌ)のそれらは、様々なモチーフを結合している:銘、トレーサリー(狭間飾り)、ムカルナス、コラム、そして多彩色の平縁。

構造の質素さ
ポータルの豊かな装飾と比較すると、アクサライの近くのスルタンハヌ(1229)の内部は、質素である。冬のホールは、とても全く飾り気のないアーケードを見せている;そのピアは柱頭を欠き、そのアーチには装飾がない。ただ光塔だけが、中央のバレルヴォールトを補強している横断リブのリズムを中断している。

スタラクタイト・スキンチ
光塔を示す、スルタンハヌの屋根。ドームの螺旋状の石工の下に、スタラクタイトのイントラドスを持つ四つのスキンチがある。

明瞭に定められたボリューム
1246-1249年に遡る、コンヤの郊外にある、ホロズル・ハン(コックのハン) には、交互になった明色と暗色の石材の層のある二層の光塔ある;その屋根は、八角錐すいを形成している。

中継基地
アナトリア高原を地中海沿岸と結ぶ路上にある、1236-1246年に遡る、クルクギョズ・ハニは、アンタルヤの港の前にある最後の中継基地である。これは、シリアとエジプトに奴隷と商品を輸送する為ルートであった。

荘厳な内観
アヴァノスのサルハンの冬のホール(「黄色のハン」) は1250年に建てられた。それは、近年、すばらしい復活を遂げ、現在、セルジュークのキャラバンサライ建築の品の高さと一貫性を例証している。その中央の区域、直立した側廊、そしてアーケード全てが、四新アーチとバレルヴォールトを示している。その光塔は、唯一の光源である。

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