アンジャールの町/Anjar
レバノンのベッカー峡谷にある、城砦ほどの大きさ(320m×400mの)の長方形の街。ウマイヤ朝のカリフ、ワリード一世によって714年−715 年に建設された。多くの点でローマ時代の皇帝の宮殿と類似している(ユスチニアヌス時代のセルギオポリスのルサファ/トラヤヌスのティムガッド/ディオクレアヌスのスパラト(現代のスプリト)の宮殿)。アンジャールの繁栄は灌漑による水の存在によって可能にされた集約的農業生産に依存していた。一毛作の穀物、砂糖と綿は都市に少なからずの財源を保証した。
アンジャールのプラン。ローマの計画を基にする。2つの大通り、カルドとデクマヌスのある、ポーチで区分され、テトラピュロン(四塔門建築)の下で直角に交差する。南東の角には、中庭を持つ宮殿がある。もう一方にはアプスを持つホールがある。モスクは宮殿の北側にある。 アンジャルの建物は古代建築の特徴(湾曲した大理石の柱、コリント様式の柱頭と花かご飾り)そしてビザンティンの煉瓦ブロックと切石が交互に積まれる手法が採用された。

図版出典:Islam vol.1 Taschen


05/10/14
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