ハカム2世/al‐Hakam II 914?5‐976(在位961-976)
後ウマイヤ朝の第9代アミール第2代カリフ。アル・ムスタンシル。アブド・アッラフマーン三世の息子。後ウマイヤ朝の文化は絶えず東方の影響下にあったが、ハカム二世の治下に、多くの文化人が東方から移住し、またイベリア半島のムスリムも東方に留学し、帰国後優れた活動をしたが、特にハカム二世の治世以来、同朝治下スペインのイスラム文化は飛躍的に発展した。

建築
父アブド・アッラフマーン三世の治世のコルドバのメスキータとメディナ・アッ・ザフラーの事業責任者であったといわれる。また自身の治世にもコルドバのメスキータを南側に拡張する(12ベイ分)。
*モスクの拡張には261,537ディナル+1.5ディルハム

ハカム2世治下の文化レベル
*首都に建設した授業料不要の学校は37校
*モスク内のコルドバ大学は、彼の治下で世界最高の教育機関になり、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアから、キリスト教徒やイスラム教徒の学生を集めた。
*コルドバの王立図書館は、ムハンマド1世が設立し、アブド・アッ・ラフマーン3世が拡張したが、そこには、ハカム2世が、アレクサンドリア、ダマスクス、バクダードの書店から購入した書籍40万冊があり、書名目録だけでも44巻にのぼった。ハカム2世はカリフ最大の博識家と評される。彼の治下、アンダルシアの一般市民の文化レベルは高水準にあり殆どが読み書きができた。当時のキリスト教徒ヨーロッパでは、大部分が僧侶からなる少数の学者に初歩的学問が学ばれるいる頃であり、もちろん一般市民は読み書きできるものは殆どいなかった。


05/10/11//2006/01/28追記
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