ハールーン・アッラシード/Harun al‐Rashid  763?766?‐809
アッバース朝第5代カリフ。在位786‐809年。生年は763年の説もある。この王朝の全盛期を代表する君主で、797、803、806年の3回にわたってビザンティン帝国に親征、屈辱的講和条件を与えた(女帝となったイレーネが摂政時)が、対内的には相次ぐ反乱の鎮圧に苦慮した。内政では,最初の17年間はバルマク家一門を重用したが、その権勢があまりにも強大になりすぎたために、803年にこれを断絶させ自ら政治に臨んだ。

フランク王国の歴史家アインハルト(775?-840)のカール大帝伝には、カール大帝がペルシア王アーロン(ハールーン・アッラシードのこと)のもとにやった使節が織物、香料、ゾウ、精巧な水時計などを持って帰ったという節がある。また中国唐代の資料、旧唐書「大食伝(タージ伝)→アッバース朝の歴史のこと」に、「訶論」として登場する。《千夜一夜物語》の登場人物としても有名。

建築
知恵の宝庫ヒーザーナ・アルヒクマ
Khizana al‐Hikma〉という図書館を建設し、これは後の第7代カリフマームーンのバイト・アルヒクマ(知恵の館)の前身となる。



05/10/10
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