クッバ・アッ・スレイビヤ/Qubba al-Sulybiya 862
サーマッラーのジャウサク・アルハーカーニーの宮殿に面して建てられた霊廟。862年建立。アッバース朝第11代カリフ、ムンタンシルの為に、ギリシャ正教徒であった彼の母が、特別に承認を得て建てた。亡くなった者を記念する葬儀用のモニュメントを建てることは、初期イスラムの平等主義に反した為それ以前には建てられなかったと考えられており、これがイスラム教徒の国の最初のものとして知られている。後のアッバース朝第13代カリフ、ムータッズ(869年没)とアッバース朝第14代カリフ、ムフタディー(870年没)もここに葬られている。ペルシャのグンバド、トルコのテュルベ、カイロのカリフの霊廟、モンゴルとインドの霊廟の様なモニュメントは、この様式に従っている。 

立面図と平面図。正方形の平面形の葬儀堂の周りに、八角形の平面形の周歩廊と、直径6.3mのクーポラを持つ。周歩廊の存在は、巡回礼が行われていたことを示している。またその平面計画から、クッバ・アッ・スレイビヤはビザンティンの寺院とエルサレムの岩のドームから着想を得た考えられている。煉瓦の様に加工された石材(33cm角で厚さ10cm)で建設された構造体は、漆喰と稀少な素材で覆われていたと目されている。

図版出典:Islam vol.1 Taschen

関連サイト:
http://www.dur.ac.uk/derek.kennet/qubbat.htm

05/10/17修正
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