スタラクタイトの進化

12世紀の末期に建てられたラッカのハルーン・アルラシッドの宮殿には未発達の先例がある(実際には、そのスタラクタイトあるいはムカルナスと呼ばれる技巧は恐らくペルシャ(イラン)で完成させられていた)。最初は煉瓦造であったが、後に漆喰が塗られたキューポラのムカルナス(1135年に建設された)がフェズ(モロッコ)のカイラワーンで見られる。そこでは、それらは純粋にミフラブの上にある装飾となった。1120年に建設されたマラケッシュのムラービト朝のカーバ・バルディンも 当時、煉瓦ではなかった。

しかしながら、12世紀半ばに建設された、ダマスカスのマリスターン・アル・ヌーリーの石細工に素晴らしい切石技術の技巧を見せるスタラクタイトを見ることができる。1223年に建てられたアレッポのマドラサ・アルフィルダスにおいても同じことが言える。その頃から、スタラクタイトはイスラム建築に特徴として一般的にあがられるものの一つとなった。

それらは、今日、イラン、イラク、スペインとモロッコで、煉瓦造のものが見られる。一方、それらは、トルコ、カイロそしてインドでは、石造である。

スタラクタイト(それらは結果的にペンデンティヴを分割するニッチとなったのであるが)は、スカラップ状の三角形の形状をしており、イワーンやキューポラやアーチを覆った。小さな物は偏在する装飾的モティーフとして応用された。それらは柱頭やヴォールトが架けられたホール(そこでそれらはドームのコーナーで巨大なペンデェンティヴを形成する)に現れる。それらは、多様な材質と無限に変化する空間を誇示しながら広がり、中世イスラム芸術の特徴的な性格となった。

蜜蜂の巣の分析

スタラクタイトは、アレッポのマドラサ、アルフィルダスのエントランスを装飾している。これらの構成は巧妙な16角形と32角形の使用を示している(下図)。このムカルナスは13世紀以降のイスラム芸術の発達に繋がった。

  

05/05/25

inserted by FC2 system