連続交叉アーチの伝播と発展の不思議 (その1)

コルドバのメスキータ(モスク)に961/962年に現れた連続交叉アーチはその後、一方でフランス、イギリス、そしてイタリアといったキリスト教国である西欧諸国、に伝播?し、一方では、モロッコ、アルジェリアといったイスラム教国である北アフリアに伝播?することになった。伝播として想定しうるのでは、連続交叉アーチがアーチが現存する西欧においても、北アフリカにおいても、961年以前の連続交叉アーチが全く存在しないどころか、その痕跡さえも存在しないからである。イスラム建築史では一般的に北アフリカの交叉アーチは後ウマイヤ朝時代のそれが、ムラービト朝、ムワッヒド朝がスペインを統治した時代に伝播したものだとされている。ところが、西洋建築史において、そのルートは全くふれられておらず、連続交叉アーチは何の脈略もなく、いきなりノルマン様式と謂われる建築に登場したことになっている。


Abbey of St Wandrille Refectory/11世紀(フランス)
写真出典:
http://www.mondes-normands.caen.fr/angleterre/index.htm


2006/11/07
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