比較建築研究会版:古代ギリシャ・ローマ建築研究の為の書籍リスト 2006/12/28>58 |
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以下の図書は全て本研究会が所蔵しているものです。但し一般人が手に入れ易い物のみを掲載し、専門機関の学術論文等は含まれていません。またおすすめ度は私の独断と偏見によるものですので、あしからず。 |
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整理番号 | 書籍名 | 著者 | 出版社 | 価格 | 出版年 | おすすめ度 | 言語 | 内容 | |
01 | SIR BANISTER FLETCHER'S A HISTORY OF ARCHITECTURE | DAN CRUICKSHANK 編 | ARCHITECTURAL PRESS | 8000? | 1996 | A | E | 第12版。世界建築大辞典。建築様式別に解説されている。 | |
02 | T.W. ARCHITECTURE/THE ROMAN EMPIRE | Henri Stierlin | Benedikt Taschen | 3500 | 1996 | AAA | E | 豊富な図版と写真による、古代ローマ建築の解説書。シリーズの内の一巻。(本研究会による翻訳あり) | |
03 | Western Architecture | R.Furneaux Jordan | Thames and Hudson | ? | 1969 | AA | E | シリーズの内の一巻。 | |
04 | Greek Architecture | Roland Martin | Electa | ? | 1980 | AA | E | シリーズの内の一巻。 | |
05 | 西洋建築様式史 | 羽生修二他共同執筆 | 美術出版社 | 2500 | 1995 | A | J | 一般向けに出版された西洋建築史の書。入門書として良く、この手の和書籍では最も詳しい。 | |
06 | 建築史 | 藤岡通夫・桐敷真次郎他 | 市ヶ谷出版社 | 2000 | 1988 | B | J | やや内容が古く。図版も少ない。 | |
07 | 世界建築事典 | ニコラウス・ペグスナー他著 鈴木博之監訳 | 鹿島出版社 | 5000? | 昭和59年 | AA | J | 東大建築史学教室の翻訳。イスラム建築の部分の訳はイマイチであったが、流石に西洋建築史の部分の翻訳はこなれていて読みやすい。 | |
08 | 西洋建築史図集 | 日本建築学会編 | 日本建築学会 | 1600 | 昭和48年 | BB | J | 写真・図版が古く、印刷も悪い。改訂版では写真・文章が更新されているようだ。 | |
09 | 地図でおぼえる世界史 | 鶴岡聡他 | 河合出版 | 1250 | 1994 | B | J | 本来は受験用のテキストであるが、歴史上の出来事を地図で表現しているため、位置を理解するのに便利。 | |
10 | 世界史 地図・年表 | 村上堅太郎他 | 山川出版社 | 460 | 昭和63年 | BB | J | 他地域との歴史の関連を理解するのに便利。 | |
11 | 詳説世界史研究 | 木村靖二他編 | 山川出版 | 2500? | 1995 | BB | J | 歴史の流れを復習するのに便利。執筆陣も著名な先生が多い。 | |
12 | 標準高等地図 | 帝国書院編集部編 | 帝国書院 | 1500 | 平成8年 | A | J | 歴史的な出来事があった場所も記載されており、大変便利。 | |
13 | カラー世界史百科 | 成瀬治 | 平凡社 | 3500 | 1985 | AAA | J | 図版が多く、地理的関係を理解するのに便利。内容も濃い。 | |
14 | 世界大百科事典第2版 CDROM版 |
日本を代表する各分野の専門家。 | 平凡社 | 38000 | 1999 | AAA | J | この手の辞書の中では最も詳しい。ただ図版は殆どない。 | |
15 | Imperial Rome and Christian Triummph (Oxford History ) | Jas Elsner | Oxford University press | 2029 | 1998 | AAA | E | Amazom JAPAN で購入。末期ローマ帝国のキリスト教化のなかでの芸術史。最新の研究成果も盛り込まれた興味深い書籍。お勧め。 | |
16 | Byzantine Art (Oxford History ) | Robin Cormack | Oxford University press | 1840 | 2000 | AA | E | Amazom JAPAN で購入。東ローマ帝国芸術の解説書。図版も多く、内容充実。建築、美術品共に記述あり。お勧め。 | |
17 | 第2版ヨーロッパの歴史(欧州共通教科書) | フレデリック・ドルーシュ 総合編集 木村尚三郎監修 |
東京出版 | 7000 | 1998 | AA | J | 最新の研究成果が盛り込まれた。歴史教科書の定番。多面的な視点が特徴。良書。 | |
18 | 西洋建築史 | 桐敷 真次郎(著) | 共立出版株式会社 | 2900 | 2001 | B | J | 桐敷先生の著書。 | |
19 | ラヴェンナの初期キリスト教建造物群・ルネサンス都市フェッラーラとポー川のデルタ地帯。 | 週刊ユネスコ世界遺産? | 講談社 | 560 | 2001 | A | J | コンパクトに纏められている。現在の状況が分かる写真が豊富に掲載されている。またアクソメトリックによる建築物の説明は分かりやすい。 | |
20 | ローマ人の物語 1 ローマは一日にしてならず(上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2002 | A | J | 有名なので何もいうことはありません。塩野さんの、歴史を見る視点が好きです。物語?なのでとても主観的で、嫌いな人は嫌いかもしれない。が、ローマの歴史を気楽に流して読めるのが良い。時期的には、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第1章の序文と第2章の共和政時代のモニュメントの頃に該る。 | |
21 | ローマ人の物語 2 ローマは一日にしてならず(下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2002 | A | J | ||
22 | ローマ人の物語 3 ハンニバル戦記(上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 362 | 2002 | A | J | ローマがハンニバル戦を契機として、領土を拡大していった時代。時期的には、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第2章の共和政時代のモニュメントの頃に該る。 | |
23 | ローマ人の物語 4 ハンニバル戦記(中) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2002 | A | J | ||
24 | ローマ人の物語 5 ハンニバル戦記(下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2002 | A | J | ||
25 | ローマ人の物語 6 勝者の混迷(上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2002 | A | J | ||
26 | ローマ人の物語 7 勝者の混迷(下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2002 | A | J | ||
27 | ローマ人の物語 ? パクスロマーナ |
塩野七生 | 新潮出版 | 2700 | 2000 | A | J | ハードカバー版。初代皇帝アウグストゥスの時代を描写した一冊。当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第3章の初期の帝国の芸術の時期にあたる。 | |
28 | ローマ人の物語 ? 賢帝の世紀 |
塩野七生 | 新潮出版 | 3000 | 2003 | A | J | ハードカバー版。トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの時代を描写した一冊。当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE では、第6章のローマ中心部のトラヤヌスの大宮殿、と第7章のハドリアヌス帝時代の特質の時期にあたる。 | |
29 | Aegean Art and Architecture | Donald Prezioso and Louise A.Hitchcock | Oxford University press | 2,325 | 2002 | A | E | Amazom JAPAN で購入。エーゲ海の文明の起こりからギリシャの都市国家までの解説書。 | |
30 | Early Art and Architecture of Africa | Peter Garlake | Oxford University press | 1,944 | 2002 | A | E | Amazom JAPAN で購入。あまり採り上げられないサハラ砂漠以南のアフリカの文明について詳しい。エジプト、キリスト教、イスラームの文化による影響、他。 | |
31 | 古代ギリシャ | C.M.バウラ | タイム・ライフ・ブックス | ? | 1974 | B | J | ライフ人間世界史のシリーズの内の1巻目。 | |
32 | ローマ帝国 | モーゼス・ハダス | タイム・ライフ・ブックス | ? | 1974 | B | J | ライフ人間世界史のシリーズの内の2巻目。 | |
33 | 蛮族の侵入 | ジェラルド・シモンズ | タイム・ライフ・ブックス | ? | 1974 | B | J | ライフ人間世界史のシリーズの内の3巻目。 | |
34 | ビザンティン | フィリップ・シェラード | タイム・ライフ・ブックス | ? | 1974 | B | J | ライフ人間世界史のシリーズの内の11巻目。 | |
35 | 古代ローマの建築家たち | 板屋リョク | 丸善株式会社 | 2900 | 2001 | BBB | J | 100ページ程度の冊子為、時代背景等は記述されていないので、そういった本と併読するのが良いだろう。タイトルどおり建築家を軸として描かれているがロマンチックな文章に戸惑うかもしれない。 | |
36 | 図説 ローマ | 河辺泰宏 | 河出書房新社 | 1800 | 2001 | BBB | J | 古代から現代までのローマの建築の入門的解説書。 | |
37 | ローマ建築 | ジョン・ブライアン・ウォード・パーキンズ著/桐敷真次郎訳 | 本の友社 | 12000 | 1996 | AA | J | 邦訳されたローマ建築関係書の中では最も詳しい、パラディオ研究者として有名な桐敷先生の翻訳書。残念なことにカラーのページが少ない。価格は当初9800円で出版されたものが途中で12000円に変更されている(内容は全く同じで本によっては価格改定のシールが貼ってあるのみ)。 | |
38 | ローマはなぜ滅んだか | 弓削達 | 講談社現代新書 | 720 | 1989 | BB | J | ||
39 | ユダヤ人とローマ帝国 | 大澤武男 | 講談社現代新書 | 700 | 2001 | BB | J | ||
40 | T.W. ARCHITECTURE /GREECE |
Henri Stierlin | Benedikt Taschen | 2000 | 1996 | AAA | E | 豊富な図版と写真による、古代ギリシャ建築の解説書。シリーズの内の一巻。(本研究会による翻訳あり) | |
41 | ローマ人の物語 8 ユリウス・カエサル・ルビコン以前(上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2004 | A | J | 8〜13は、カエサルの生涯の物語。一人の人物により、結果的にローマ帝国は大きく社会構造を変えることになる。パクスロマーナに繋がる時代が、個人の生きざまを通して実現される。死してなおローマを揺さぶるカエサルには、神が乗り移ったとしか考えられない。偶然にしては、あまりにも上質な、、、神が描いたかの様なストーリー展開。時期としては、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第2章の共和政時代のモニュメント、の終わりから、第3章の初期の帝国の芸術、の頃までにあたる。クレオパトラは悲惨だが時代を作るのに必要な神のパーツであった様にさえ思える。 | |
42 | ローマ人の物語 9 ユリウス・カエサル・ルビコン以前(中) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 476 | 2004 | A | J | ||
43 | ローマ人の物語 10 ユリウス・カエサル・ルビコン以前(下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2004 | A | J | ||
44 | ローマ人の物語 11 ユリウス・カエサル・ルビコン以後(上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 476 | 2004 | A | J | ||
45 | ローマ人の物語 12 ユリウス・カエサル・ルビコン以後(中) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2004 | A | J | ||
46 | ローマ人の物語 13 ユリウス・カエサル・ルビコン以後(下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2004 | A | J | ||
47 | ローマ人の物語 X? 最後の努力 |
塩野七生 | 新潮出版 | 2600 | 2004 | A | J | ハードカバー版。ディオクレティアヌスとコンスタンティヌスの時代。本書は、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第9章帝国末期の壮大な創造物の時代にあたる。合わせて読むと時代背景の理解も深まり、吉。末期ローマは中世ヨーロッパ王国のモデルとなったのか?生き残りをかけてローマ帝国の構造と価値観が大きく変わろうとした時代。 | |
48 | ローマ人の物語 17 悪名高き皇帝たち(1) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2005 | A | J | 17-20は、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの物語。悪政と批判される彼らの時代は、一方では建築文化の繁栄の時代でもあった。本書は、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第4章に該る。 | |
49 | ローマ人の物語 18 悪名高き皇帝たち(2) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2005 | A | J | ||
50 | ローマ人の物語 19 悪名高き皇帝たち(3) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2005 | A | J | ||
51 | ローマ人の物語 20 悪名高き皇帝たち(4) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2005 | A | J | ||
52 | ローマ人の物語 21 危機と克服 (上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 400 | 2005 | A | J | 21-23は、ネロの自死した翌年69年から賢帝の時代までの混乱期、ガルバ、オトー、ヴィテリウスの治世の物語。本書は、当研究会翻訳のTASCHEN/THE ROMAN EMPIRE の第4章に該る。 | |
53 | ローマ人の物語 22 危機と克服 (中) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2005 | A | J | ||
54 | ローマ人の物語 23 危機と克服 (下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 438 | 2005 | A | J | ||
55 | ローマ人の物語 XIV キリストの勝利 |
塩野七生 | 新潮出版 | 2600 | 2005 | A | J | ||
56 | ローマ人の物語 27 すべての道はローマに通ず (上) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 476 | 2006 | A | J | ローマの建築を含むインフラについて記述された巻。歴史のストーリーが主体の他の巻とは性格が異なり、カラー写真も多く掲載されている。 | |
57 | ローマ人の物語 28 すべての道はローマに通ず (下) |
塩野七生 | 新潮文庫 | 476 | 2006 | A | J | ||
58 | ローマ人の物語 XV ローマ世界の終焉 |
塩野七生 | 新潮出版 | 3000 | 2006 | AA | J | ローマ人の物語 の最終章。私的にはもっとも興味のある章。ローマ帝国の崩壊はキリスト教徒的な視点に立てばローマ人の堕落ということになるのだろうが、結局ローマ人の誇りを捨てさせたのはローマ的倫理観価値観を崩壊させた根底に打算的価値観を持つことが可能なキリスト教カトリックの思想であったのかもしれない。ローマの為にという公共的で現実的な価値観 は神の為にというある種個人主義的で夢想的な価値観に置き換えられた。 残念なことに、ローマ帝国末期のスペインの状態については殆ど触れられていない。 |