ナーシル/al-Nasir
アッバース朝、第34代カリフ在位1180-1225年。
セルジューク朝の内乱によってイラクに権力の空白状態が起きたのを契機に、10世紀半ば以来,軍人・軍事指導者に奪われていた政治権力を取り戻し、聖俗両権を兼備したカリフ体制を復活させようとした。ホラズム・シャー朝のシャー(王)をそそのかしてセルジューク朝を滅ぼさせたものの、それ以上の勢力伸張は望めず、かえってシャーに苦しめられた。

建築
彼は、バクダットにペルシャの影響の深いズバイダの霊廟を建てさせた。ハルン・アルラシード(在位786-809年、第5代アッバース朝カリフ)の妻を偲んで建てられたこの墓は、サーマッラーのイマーム・ドゥルの墓(1085年)にインスピレーションを得たと言われている。


05/10/10
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