マリーン朝/Marinid 1195/6‐1465年

モロッコのフェスを都としたベルベル系遊牧民ザナータ族の一派、マリーン族の王朝。1195/6‐1465年。ムワッヒド朝には服従せず、建国後まもなく1213年ころサハラからモロッコ北部に進出、69年マラケシュを占領してムワッヒド朝を滅ぼした。ムラービト朝やムワッヒド朝のような宗教運動を土台にした建国ではないが、スペインのカスティリャ王国への聖戦(ジハード)やイスラム政権であるナスル朝支援、モスクやマドラサの建設など宗教的意識は強い。アブー・アルハサン(在位1331‐48)とアブー・イナーン(在位1348‐59)の治世が最盛期で、トレムセンのアブド・アルワード朝(ザイヤーン朝)への支配やチュニスのハフス朝への遠征を行い、また学者を寵愛した。イブン・バットゥータの旅行記はアブー・イナーンの命令による口述筆記の作である。遠征による財政破綻と内政混乱およびアラブ諸部族の離反により滅亡した。

歴代アミール 在位
1 アブドゥル・ハック 1195-1217
2 ウスマーン 1217-1239
3 モハメッド 1240-1244
4 アブーヤフヤ・アブーバクル 1244-1258
5 アブー・ユースフ・ヤクーブ 1258-1186 カスティリャ国王・アルフォンソ10世(賢王)とその息子サンチョ4世が王位争いに介入
6 アブー・ヤークーブ・ユースフ 1286-1307
7 Abu-Thabit 'Amir 1307-1308
8 Abu'l-Rabi Sulayman 1308-1310
9 Abu-Sa'id Uthman II 1310-1331
10 アブー・アルハサン 1331‐1348
11 アブー・イナーン 1348‐1359
12 Mohammed II as-Sa'id 1359
13 Abu-Salim Ali II 1359-1361
14 Abu-Umar Tashufin 1361
15 Abdul-Halim 1361-1362
16 Abu-Zayyan Mohammed III 1362-1366
17 Abu'l-Faris Abdul-Aziz I 1366‐1372
18 Abu-Zayyan Mohammed IV 1372-1374
19 Abu'l-Abbas Ahmad 1374-1384
20 Musa 1384-1386
21 Abu-Zayyan Mohammed V 1386
22 モハメッド6世 1386-1387
23 Abu'l-Abbas Ahmad 1387-1393
24 Abul-Faris 1393-1397
25 Abdul Aziz II 1397-1398
26 Abdullah 1398-1399
27 Abu-Said Uthman III 1399-1420
28 アブドル・ハック2世 1420-1465


参考文献:平凡社世界百科事典/平凡社イスラム事典
参考サイト:ウキペディア/Wikipedia

建築:
フェス/
アル・ジュディードの金曜日のモスク(1276)

アブー・イナーン・マドラサ
トレムセン/
マンスーラのミナレット(1303-1336?)
Sidi Bu Madyan のモスク(1339)
Sidi al-Halwi のモスク(1353)
Sidi al-Halwi のモスクのミナレット(14世紀)


05/06/01//05/11/27//追記修正
inserted by FC2 system