カイラワーンの大モスク/Kairouan Great Mosque 836/862/875
カイラワーンの大モスクは、アグラブ朝期に、いくつかの段階をおって(836年、862年、875年)建てられた。創建したのは、アグラブ朝第3代エミール、ジヤーダト・アッラー1世(在位817-838)であった(836年完成)。130×80m(およそ2.5エーカーあるいは1ha)の区域を占める建物は、8つの門のある高く頑丈な壁によって囲まれている(2重のポルチコによって囲まれた幅65m、長さ50mの中庭があった)。3壇の黄褐色の正方形のミナレットが全体を見渡している。このタイプのミナレットの形態は古代ローマの航路誘導塔から得られたと考えられていおり、アレクサンドリアの灯台に似ている。その形態はマグレブとスペインに伝えられた(マラケッシュのクツビヤのモスクセビーリャの大モスクのヒラルダの塔)。長方形の礼拝堂はキブラ壁に垂直なアーケードを持つ17本の身廊で構成されている。中央の幅広の身廊は、カイロのアズハル・モスクで再び採用することになる方式に従ってミフラブに通じた。8つのベイの内、最後のキブラ壁の前のベイも強調されている。これは礼拝者(「T」型のモスクの典型的なプラン)のために方角を示した。礼拝堂は、古代ローマ帝国のエレメント(柱身と柱頭の両方)が再利用された多柱様式の建物であった。カイロのアムル・モスクのように、アーケードは迫元のレベルでタイロッドと交わり、ミフラブの平らな木造の天井を支えている。ミフラブの装飾は、バグダッドから輸入された金属的な輝きのあるファイアンス・タイル(彩色錫釉陶器)で製作され、ニッチ自身は大理石パネルによって構成されている。ミフラブの上はリブのあるクーポラが覆っている。それは、4つのペンデンティヴによって支えられた八角形の上に立てられた。もう1つのクーポラは(中庭の南東のゲートの真ん中で)礼拝堂の軸の入口を示している。
モスクをミナレットの頂上から見る。中庭とハラム ミナレット。重厚な3壇の頂上にリブのあるヴォールトが載せられている。それは全ての北アフリカとアンダルシアの建築に影響を与えた力強い輪郭を創り出している。 幅広のリブのある8角形のドームが、ミナレットの上に聳えている。それはカイラワーンのモスクで最も神聖な場所を創り出している。その正方形の平面から円形の平面への移行は、8角形の中間段階に見られる。 カイラワーンの礼拝堂。その古代ローマ帝国や東ローマ帝国(ビザンティン)の再利用されたコラムはキブラに垂直な17本のアーケードを支える。
左上:中庭のファサードの立面図/左下:モスクの平面図/右下:ミナレットの断面図 モスクの入口の一つは4っつの僅かに馬蹄形アーチによって支えられるドームによって強調されている。 ミフラブ:装飾的なメソポタミアの磁器タイルで囲まれたそれは穴の開いた大理石のパネルのニッチを持っている。両側の二本の大理石のコラムは東ローマ帝国(ビザンティン)様式の柱頭を持っている。

木彫のクラウストルムのモティーのあるカイラワーンのミンバーの装飾のディテール

参考文献:/ISLAM VOL.1 ;Henri Stierlin ;Benedikt Taschen
参考図版:/ISLAM VOL.1 ;Henri Stierlin ;Benedikt Taschen


関連サイト
http://i-cias.com/tunisia/kairouan01.htm
http://www.sacredsites.com/africa/tunisia/kairouan.html
http://archnet.org/library/sites/one-site.tcl?site_id=8012
http://www.nexusjournal.com/BouMaz.html
http://rubens.anu.edu.au/htdocs/surveys/mediterrarch/slides.xmosaic/bysite/display00141.html

05/10/21修正
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