ちょっと似すぎ!? part 20


イスラム様式の連続交差アーチ−スペイン
後ウマイヤ朝のハカム2世(アブドッラー三世の息子)の時代に後ウマイヤ朝の建築文化は最盛期を迎える。そこに登場する連続交差アーチのモチーフは、外壁を飾るモニュメントととどまらず、独立したアーチ(結果的にポインテッドアーチの形状を生む)、さらにアーチネットにもは及ぶ。この時期に、このモティーフはスペイン各地に伝播したと考えられるが現存する建物にトレドのサン・クリスト・デ・ラ・ルスがある。後ウマイヤ朝崩壊後もこのモティーフはターイファ(少王国)に引き継がれるが最良の現存する例として、サラゴサのアルハフェリアがある。続くムラービト朝ムワヒッド朝の時代に、スペインの建築に引き続き採用されるともに、彼らの本拠地である北アフリカの建築にも伝えられた。最終的に、有名なナスル朝下のグラナダのアルハンブラ宮殿でその有終の美を飾ることになる。

スペイン/コルドバ
メスキータ/外壁の門

写真出典:Islam/Benedikt Taschen
スペイン/コルドバ
メスキータ/マクスラのアーチ961/62

写真出典:左/Islam/Benedikt Taschen/
右/
Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen
スペイン/コルドバ
メスキータ/ドームのアーチネット961/62
写真出典:左/Four Caliphates ellipsis
右/Moorish Architecturein Andalusia
/Benedikt Taschen

スペイン/トレド
サン・クリスト・デ・ラ・ルス San Cristo de la Luz/999・1000
写真出典:Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen
スペイン/サラゴサ
アルハフェリア/礼拝堂の入口1046〜1081頃
写真出典Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen
*コルドバのメスキータの門のデザインを踏襲している。

スペイン/サラゴサ
アルハフェリア/中庭に接する池を囲むポーチ1046〜1081頃
写真出典:Islam/Benedikt Taschen
*コルドバのメスキータのマクスラのデザインを踏襲している。

スペイン/サラゴサ
アルハフェリア/礼拝堂のドーム1046〜1081頃
写真出典Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen
*コルドバのメスキータのドームを洗練させたデザイン。

スペイン/セビーリャ
モスク(現存しない)/ヒラルダの塔1072〜1182頃

写真出典:Islam/Benedikt Taschen
*連続交差アーチの上部は連続する菱形模様に連続する。
スペイン/セビーリャ
アルカサル/中庭 ムワヒッド朝時代?(1147-1210?頃)
写真出典Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen

スペイン/グラナダ
アルハンブラ宮殿/ライオンの庭13-15世紀頃
写真出典Moorish Architecturein Andalusia/Benedikt Taschen
*交差アーチは無数のムカルナスと菱形模様に分割された。



2006/01/31
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