バド・アグナウ/Bab Agnaou 12世紀末

モロッコのマラケシュに建つムワッヒド朝時代の12世紀末の門。ラバトのカスバ・ウダイアの門と同時代。ブルーストーンと言われる粘土質砂岩で建てられている。ポインテッドアーチの開口部の廻りに馬蹄形アーチの放射状のバーのレリーフがあり、さらにそれを囲む馬蹄アーチのトレーサリーのレリーフがあり、それは連続交差アーチになった馬蹄形アーチのトレーサリーレリーフで囲まれ、最終的にそれらアーチ全体が放射状のバーのレリーフの半円形のアーチに囲まれている。放射状のバーのアーチのレリーフや馬蹄形は936-941年に建設されたスペインのコルドバの郊外にあるアブド・アッラフマーン三世によって建設されたマディナ・アッ・ザフラーのモティーフが発展させられたものと考えられる。建設当時はザフラー宮殿の様に漆喰で彩色されていたのかも知れない。後ウマイヤ朝とエジプトのファティマ朝時代からの建築部位が結合し発展させられた美しい好例。

図版出典:
http://www.virtualtourist.com
Bad Agnaouの正面写真(出典下記)
Bad Agnaouの詳細写真(出典下記)
参考文献:Islamic Architecture NORTH AFRICA/Antony Hutt/Scorpion Publications Limited
図版引用:Islamic Architecture NORTH AFRICA/Antony Hutt/Scorpion Publications Limited

05/12/06
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